2015年2月4日水曜日

三角形の面積を三辺から求める公式の導き方

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問0】三角形の面積を三辺から求める公式を導け。


 この問題をもっと易しい問題に変換して解きます。

【問1】以下の直角三角形⊿ABCの面積Sを⊿ABCの3辺a,b,cであらわせ。

このように簡単化した問題は、すぐ上の式であらわした解があります。

 もう1つのやさしい問題を解きます。

【問2】以下の直角三角形⊿ABCの面積Sを⊿ABCの3辺a,b,cであらわせ。 

このように簡単化した問題は、すぐ上の式であらわした解があります。

 もう1つのやさしい問題を解きます。

【問3】以下の正三角形⊿ABCの面積Sを⊿ABCの3辺a,b,cであらわせ。

このように簡単化した問題は、すぐ上の式であらわした解があります。

 もう1つのやさしい問題を解きます。

【問4】以下の三角形⊿ABCの面積Sを⊿ABCの3辺a,b,cであらわせ。 

このように面積Sが0になる条件が成り立っている場合では、その条件によって値が0になる項(b+c-a)と他の何かの項の積で面積Sの公式があらわせるのではないかと考えます。他の何かの項は未だ分からないでも良いと判断します。
 なお、面積Sが0になる時、面積Sのn乗(n>0)も0になりますので、分かっていることは、面積Sのn乗(n>0)がこの項(b+c-a)との積であらわせるのではないかと推測します。 
 
 もう1つのやさしい問題を解きます。

【問5】以下の三角形⊿ABCの面積Sを⊿ABCの3辺a,b,cであらわせ。 

 このように面積Sが0になる条件が成り立っている場合では、その条件によって値が0になる項と他の何かの項の積で面積Sの公式があらわせるのではないかと考えます。
 また、解の公式は、先に得た項との積でもあると考え公式の一部を推測します。
 更に、他の、面積Sが0になる場合も考え、その場合の条件の項(c+a-b)も掛け算します。
 これで、3つの項と他の何かの項(?)の積として公式を推測します。

 次に、問1の条件が成り立っている時に、面積Sのn乗の解の公式が問1の条件で得た解の公式に等しくなると考えて、解の公式をもっとハッキリさせます。

Sのn乗の式に問1の条件を代入して式を変形させて、問1の場合の面積Sの公式に近づけます。

上の計算でn=2の場合に、Sのn乗の式を問1の場合の面積Sの公式に一致させることができ、項(?)を定めることもできました。
 以上で項(?)が定まったので、三角形⊿ABCの面積Sを⊿ABCの3辺a,b,cであらわす公式を以下の式ではないかと推測します。 

 これで得た公式は推測であって、本当にこの式になるかの確証があるわけではありません。
 しかし、これで、公式の答えを予測できたので、正式な計算で公式を計算する道しるべができたという意味があります。
 このように、答えを予測する計算は、初めて未知の問題を解くときに大切な一歩であり、必要な計算です。是非、答えの予測計算を心がけて欲しいと思います。

 次に、正式な計算方法でこの公式を求めます。

以下の図のように2辺とその侠角のsin(θ)がわかれば、

三角形の面積Sがわかります。
 この面積Sの公式(式1)は、θの関数が余分で、式の中にaが無い事が不足しています。そのため、以下の式2の余弦定理の式で、θを消去してaを公式に組み込む為の式を与えます。
(余弦定理の式は、以下の図と式を書いて思い出しましょう)
そして、式1と式2を連立して計算を進めます。
 これで面積Sをa,b,cで計算する公式が得られました。
 しかし、これでは、先に予測した公式の式が4つの項の積の形をしているのとは異なる形の公式になっています。このため、もっと式を計算して予測した式に近づけるべき事が分かります。
 そのため、以下のように、計算を進めます。

 この通り、先の予測通りの面積の公式が導き出せました。

(計算を振り返ってどこが良かったかを考える)
 以上の計算で大事なポイントは、先に公式の解の形を予測してから正式な計算に取りかかった事でした。答えを予測してから正式な計算をしたことで、正式な計算が、「本当に予測通りの答えを導き出せるのか」という期待に背中を押されて計算でき、楽しく色づいた計算過程を経験できました。


 数学で答えを出す過程を楽しくできる道具が、先の予測計算でした。予測計算は道草に見えるかもしれませんが、このように計算を楽しくするという、とても大切な役割を持っています。
 数学を学んでいる間の時間を楽しく過ごせるようにし、人生を楽しくするというとても大切な役割があると思います。


(この公式の覚え方)
=?・(a+b+c)(-a+b+c)(aーb+c)(a+b-c)
と覚えれば、係数?の覚え間違いを無くせます。

係数?は、以下の簡単な計算で導き出すようにします。

 正三角形⊿ABCの面積Sを3辺a,b,cであらわして公式と比較します。
公式の係数?については以下の式になります。
=?・(3a)*a=?・3a
先の答えと比較して、公式の係数:
?=1/16
を導き出して、公式を確定します。
=(1/16)・(a+b+c)(-a+b+c)(aーb+c)(a+b-c)
こうすれば公式を確実に、正確に覚えられます。
 
この公式は何度おぼえても忘れます。
そのため、いっそのこと、以下の公式にして覚えた方が覚えやすいかもしれません。
この三角形の外接円の半径をRとすると、
この公式は以下の、外接円の半径を求める公式に変換されます。
(abc/R=(a+b+c)(-a+b+c)(aーb+c)(a+b-c)
 
 
三角形の外接円の半径を求める公式にした方が覚えやすいかもしれません。

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