2017年10月12日木曜日

中線定理の証明

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【中線の長さの公式(中線定理)】
上図のように、三角形ABCの辺BCの中点Mと頂点Aを結んだ中線AMの長さmに関して、上の式1又は式2が成り立つことを証明しなさい。
 中線定理は、上図の平行四辺形の、
対角線の二乗の和=2(b+c
という公式だと覚えて下さい。

(補足)
 中線定理は覚え易い定理ですが、高校入試問題で中線定理を使うよう誘導している問題を見ると、その誘導にもかかわらず、中線定理を使わないでも解けるようにした問題を出題しています。
 その出題高校の意図を推測すると、
「単に中線定理を覚えて知っている学生よりも、想像力豊かで知能が高く融通性に富んだ学生の方を合格させたい」
という意図があるように考えられます。
 そのため、この中線定理を学ぶ目的は、
この中線定理を証明しようとする努力により知能を高めるホルモンが分泌されて知能を高めること、
を第1の目的にするのが良いと考えます。
 そのため、この定理を自力で証明するまで解答を見ずに、知能ホルモンの分泌を続けるのが良いと考えます。

【解答1:中線定理のベクトルでの証明】
(証明おわり)

 この様に、ベクトルの内積を使うと、
簡単に中線定理を証明できます。

【解答2】
 更には、以下の様に、ベクトルbとcの計算だけから、証明することもできます。
 (証明おわり)
 中線定理は、上図の平行四辺形の対角線の2乗の和の公式だと考えると覚え易いと思います。

《解答2の拡張》
 以下のように考えると中点定理と、もう1つの、内積の定理も導き出せます。


【解答3】
 先ず、以下の図を考える。
この図の長さhとsとtに関して、以下の式3と式4が成り立つ。
式5が公式の式1である。
(証明おわり)

(補足)
 以下の図を考えても、同じ計算で公式が証明できる。

【解答4】
以下のように補助線を引いて公式を証明することもできる。
 この図の長さmとsとuとwに関して、以下の式6と式7が成り立つ。
式8が公式の式1である。
(証明おわり)

(補足)
 上の式6から8の計算は、以下の手順で計算する方を覚えた方が、応用の利く計算も覚えられるので、より良い勉強になるのではないかと考えます。
(証明おわり)
 すなわち、上の計算の式を、三角形の辺の二乗の引き算の公式を使って、以下の様に、短縮した形で展開する式を覚えるのが良いです。
(公式の導出おわり)
 公式は覚えられません(時が経つと忘れます)。この公式を使う場合には、毎回、上の式の様に式の展開を短縮した式を書いて公式を導出してから公式を使うようにして欲しい。
 そうすれば、公式を忘れかけている不確かな記憶が導き出した公式よりも、信頼のおける確実な公式を使って問題を解くことができるようになります。

 (三角形の辺の二乗の引き算の公式)
 三角形の辺の二乗の引き算の公式は、以下の図の正方形①②③を心が思い描いて心が公式を導き出すので、覚え易い(導き出し易い)です。
 
 この三角形の辺の二乗の引き算の公式は、かなり多くの問題を解くのに役立つ万能の公式です。種々の問題を解く際に、この公式を使うよう試してみてください。

【解答5】 
 以下の様に、余弦定理を利用して解くこともできます。
三角形ABCの頂角Aに関する余弦定理:
三角形ABDの頂角Bに関する余弦定理:
この平行四辺形ABDCの角度には以下の関係がある。
この式3を式2に代入して以下の式4を得る。
この式4と式1’を足し合わせる。
(証明おわり)
 
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