2016年10月29日土曜日

三角関数の難問の問題の解答

この解答は、ここをクリックした先にある問題の解答です。

【問1】 
以下の図形のtanθを求めよ。
(注意)この問題は、ラングレーの問題と呼ばれている有名な問題で、難問です。

当ブログでは、三角関数の問題として解きました。
この問題は難問ですので、
三角関数の展開にも、解き方の方向に迷う難しさがあります。

【解答1】
先ず、図形に、すぐわかる角度、長さを全部書きこんで、問題を見通し良くします。


角度を書いたら、二等辺三角形がみつかりました。
さらに、わかる角度、長さを図形に書きこみます。



これで、tanθを計算する情報がそろいました。
 (1)
この式1の分母は変形できないと考えますので、
分子だけ、変形する計算をすることにします。
ここで分母にあらわれている角度50°を別の角度であらわせるかを考えます。
ここで、右の項にあらわれている角度20°を別な角度であらわすことができるか考えます。
式1の分子が簡単になりましたので、
次に、式1からtanθを計算します。
(解答おわり)

(補足)
上の解答の最後の部分の計算は、
「三角関数の単純化パターンの公式」
に従って、以下のように計算することもできます。

(補足おわり)

【解答2】
以下の図の頂点Cの角度θのtanθを求める問題にして問題を解く。


 先ず三角形OABの外接円を書いて、外接円の中心から補助線と角度を図形に書きこんで、問題を解く助けにする。

 次に三角形OBCの外接円を書いて、外接円の中心から補助線と角度を図形に書きこんで、問題を解く助けにする。

以下の図のベクトルACのX方向の長さとY方向の長さを計算して、それから線分ACとDCのなす角度を表す方程式を作る。

以下のように、線分OBの中点から見た、左側の点Aと、右側の点Cの各々のX方向の長さとY方向の長さを計算する。

ベクトルACのY方向の長さとX方向の長さを計算する。

線分ACとDCのなす角度を表す方程式を作り、それを解いて角θを求める。


ここで、sin70°の変換公式(群)を使って式を変形する。


こうして、求める角度θが求められた。
(解答おわり)

(補足1)
 この問題を解くためには、角度20度や角度70度の三角関数の式の公式群「sin70°の変換公式 」を使うことが必須だった。その公式群によって、計算をどちらの方向に進めたら良いかの計算の見通しがついた。

(補足2)
 この公式が、三角関数の式を単純化する計算の見通しを良くするために必要であるのは、複素数平面を使って問題を解く場合も同じである。すなわち、以下の公式が、計算を進めるために必要である。


リンク:
ラングレーの問題って?
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2016年10月16日日曜日

二重根号を外す問題(問2)の解答

以下の解答は、ここをクリックした先のページの問2の解答です。

a≧b, b≧0の場合において:
【問2】 以下の式の二重根号を外せ。

(解答)
(解答おわり)

(補足)
問題の二重根号の式の最初の√の中の数2aが根号を使わずにあらわされているとします。
そのaの二乗から2つ目(二重目)の√の中の数a-bを引き算した数がbになります。bが根号を使わないであらわされる数bの二乗の場合は、この二重根号は外すことができます。
-(a-b) =bの平方根であるbが、根号を使わないと表せない数である場合は、二重根号が外れません。

リンク:
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二重根号を外す問題(問1)の解答

以下の解答は、ここをクリックした先のページの問1の解答です。

a≧0, b≧0の場合において:
 【問1】 以下の式の二重根号を外せ。

(解答)
(解答おわり)

リンク:
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2016年10月10日月曜日

二重根号の外し方の4つの方法

この解答の元の問題はここをクリックした先のページにあります。

〔ページ内リンク〕
▷二重根号の外し方(方法1)
▷二重根号の外し方(方法2)
 ▷二重根号が外せない場合
 ▷簡易な計算方法
  ▷簡易公式2
▷二重根号の外し方(方法3)
▷二重根号の外し方(方法4)

【問】 以下の式の二重根号を外せ。


【注意】二重根号が外せない場合については後に説明しますので、先ずは、以下の、二重根号を外せる場合の説明を読んで下さい。

【二重根号の外し方(方法1)】
先ず、
と変形し、その右側の項の形にします。右側の項を、
と仮定した数xとaを求めます。

(以下の計算方針では、√3という数を含んでいない数(x)と(a)を使って表わせる場合の解だけを求める計算をします。
√3を(x)か(a)が含まざるを得なかったら、そこで計算を終わりにする覚悟をして、以下の計算をします)

この式の両辺を二乗します。
 
(x)と(a)とが√3を含んでいない数であらわされるならば、
4=a・(1+3x)   (1)
と、
がなりたつと考えることができます。
2つ目の式を更に簡単にすると、

1=ax   (2)
になります。

(2)より、
(3)を(1)に代入します。
この式から、
この式4を因数分解して解くと:
(a-1)(a-3)=0
a=1 or 3

a=1の場合を(3)に代入すると、
x=1
よって、
です。
(a=3の場合も:x=1/9になって、それを代入すると同じ答えになります) 

そのため、
になりました。

【二重根号の外し方(方法2)】
二重根号を外すもう1つの方法を説明します。
(原理について)
という形をしている2重根号は、以下の条件が成り立つ場合に外すことができます。
a=x+y   (5)
b=x・y   (6)
となるxとyを探します。
そのxとyがあれば、
 (7)
です。

となるからです。

式5と6の解のx、yを求めるということは、
-a・x+b=0   (8)
の解x、yを求めることと同じです。この式8は、式4と同じ式になります。

(具体例について)
具体的な今回の以下の問題の場合は、以下のようにして解きます。
の場合は、
と変形します。
この様に、ルートの中の式は、ルートの2倍の項を含む式に変形して、答えを求めます。
を解く場合は、
(x-4・x+3=0 (式4)を解くのと同じですが)
x+y= a=4=3+1
xy=   b=3=3・1
がなりたちますので
x=3
y=1
が見つかりました。
です。
そのため、
です。
【二重根号が外せない場合】
という形をしている2重根号は、
-4bの平方根の式が、その平方根記号を外せる場合は外すことができます。
-4b=(x+y)-4xy=(x-y)
だからです。

 すなわち、
(a-4b)の平方根=|x-y|
であり、一方、
a=x+y
だったので、この2つの式からxとyが求められるからです。

しかし、(a-4b)の平方根の式から平方根記号が外せ無いときは、先の式の二重根号を外すことができません。

【二重根号になった数のもつれをほどくだけ】
 任意のaとbの場合を考えると、
-4bの平方根の平方根記号(根号)が外れる場合はまれな場合であって、
ほとんどの場合は、その根号が外せないので、二重根号を外す事ができません。
 それでは、この方法は何の役に立つのだろうか?
という疑問がわくと思います。
 その疑問に対する答えは、以下のようなものです。
「計算のもつれによって、二重根号でない数が二重根号になる場合があります。
そのように「もつれた」数の「もつれ」をほどくだけです。」
【簡易な計算方法】
公式をすぐ導き出せるようにして公式を覚えないで良い方法を以下で示します。
a=x+y,   (5)
とした式(5)の未知数xとyを、以下の式のように未知数 z だけであらわす。すなわち、2つあった未知数をzの1つだけにします。

x=(a+z)/2,
y=(a-z)/2,
これを、
 (7)’
のxとyに代入してzで表せば、
 (9)
になります。

この式9が、1つの未知数zだけで二重根号を外す式をあらわしています。
(この式9を覚えれば、公式は覚えないで良いと思います。)
式9の両辺を2乗して未知数zを求めます。
これで得られたzを式9に代入すれば、以下の公式が得られます。

または、
《簡易公式2》


です。根号の中の式に、根号の中にuがある項を持つので2重根号になっていた式は、根号の中の式に、根号の中にa-uがある項を持つ式に変換できます。
二重根号を外す計算は、この公式を使って式を書き変えているだけです。
そして、
-4b(または、a-u)の平方根の根号が外せる場合に限って、二重根号が外れます。


 なお、平方根の根号が外せる場合には、以下の場合の様に、無理数の2乗の数(自然数の2乗である平方数とは異なるが)になって平方根の根号が外れる場合もあります。


(蛇足)この公式により、上の式の右辺の、対になっている2つの二重根号の式は、上の式の左辺の1つの二重根号の式にまとめることができます。
 例えば、下の式では、下の式の左辺の2項を右辺の1つの項にまとめることができます。

ただし、この式の左辺を2乗すれば、すぐに右辺の式のルートの中が得られますので、この公式を覚えて使う必要はありません。

【二重根号の外し方(方法3)】
 4次方程式方の解き方が、二重根号付きの式を経て解に至る解き方と、二重根号を経ずに解が得られる解き方との、2つの解き方があることを利用して解きます。
 この方法は、4次方程式を解く計算でもつれさせてしまった答えの数を、もとの4次方程式に戻してから、答えをもつれさせない手順で4次方程式を解く方法です。

【簡易な計算方法】
 この計算方法から、計算の本質部分を抽出した結果、
以下の様な計算方法が見つかりました。
(1)
(2)
(3)
 (解答おわり)

【二重根号の外し方(方法4)】
方法4は、方法3に近い方法です。
以下の様にして二重根号を外します。

この式の中のxの値は式2で分かっているので、その値をこの式に代入します。

上の計算の途中で得た式3の右辺のxの係数の平方根は二重根号にはなりませんでした。
 ほかの式の場合も、同様に計算して式3に相当する式のxの係数の平方根が二重根号にならなければ、二重根号が外せます。
(解答おわり)

二重根号が外れない問題
リンク:二重根号の外し方
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