2016年12月26日月曜日

全部の場合を数え上げる確率の入試問題1 の解答

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】(難問)
箱の中に、1から9までの番号を1つずつ書いた9枚のカードが入っている。
ただし、異なるカードには異なる番号が書かれているものとする。
この箱から2枚のカードを同時に選び、小さいほうの数をXとする。
これらのカードを箱に戻して、
再び2枚のカードを同時に選び、小さいほうの数をYとする。
X=Yである確率を求めよ。
(2011年 京都大)

【解答1】
先ず、問題の一部で良いので、とにかく図に書きます。
(1)2つのカード(第1のカード組)を選ぶ全ての場合の数が上図で計算できる。

(2)次に、問題の条件の1つを満足する第1のカード組の具体的な場合を考える。
(2-1)先ず、X=8の場合を考える。
(2-2)次に、具体的に、もう1つの条件を満足する第1のカード組を考える。
X=1の場合を考える。
(2-3)具体的に、第1のカード組と、第2のカード組同士の、問題の条件を満たす組み合わせを考える。
X=1の第1のカード組とY=1の第2のカード組を考える。
問題の条件における、
X=Y=1の条件を満足するカード組の全ての組み合わせの数は、
8×8=64通りである。 

(3)問題の全貌を表す以下の図の基本樹形図を、自分の頭の中で想像して問題を整理する。 
(この図は大きな図で、とても書ききれないのでこの基本樹形図は自分の頭の中で想像するだけにして紙には書かない。)
 この基本樹形図から、第1のカード組の1つの事象毎の確率がわかる。
 それを2回繰り返した、第1のカード組の事象と第2のカード組の事象との組み合わせの1つ毎の確率は、第1のカード組の1つの事象の確率の2乗ということがわかる。

(4)上図の樹形図を整理した以下の樹形図を頭の中で想像する。
この樹形図では、左側で第1のイベントの事象毎に枝を分岐させ、その枝を一部で束ね、その後に右側の第2のイベントの事象毎に枝を分岐させている。

 この基本樹形図のうち、以下の部分樹形図なら紙に書くことができるので、それを紙に書いて状況を整理する。 
このように、部分樹形図の枝を構成する事象の連鎖の糸の本数(組合せの数)がわかる。

(5)全てのX=Yの第1のカード組と第2のカード組の組み合わせの数(糸の本数)について成り立つ法則を推測する。
問題の条件を満足する組み合わせの数(糸の本数)は、
(9-X)通りである。
組合せの数は、カード組の選択を2回繰り返した場合に細分化された基本樹形図の糸(末端の枝でもある)の本数である。

その糸の本数に、第1のカード組と第2のカード組の1つの組み合わせが生じる確率を掛け算することで、
1つの値のX=Yを満足するカード組の組み合わせの群の確率が求められる。

次に、求めるべき確率kを計算する式を作る。
 この式を計算するには、高校2年で学ぶ「数列」の知識が必要です。そのため、この問題が難しかったのです。
次に、確率kを計算する最終的計算をします。
 (解答おわり)

【解答2】
2枚のカードを同時に選び、小さいほうの数がXになる確率をf(X)とし、Xの値毎に計算する。
求める確率kは、

になる。

よって、求める確率kは:
また、
 (解答おわり)

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